交通事故

自転車と車の接触事故|過失割合と損害賠償金額

どちらが悪い?自転車と車の接触事故における過失割合

泉総合法律事務所立川支店がある立川市では、近年、自転車の交通事故が増加しています。

自転車と自動車の交通事故では、自転車側が交通ルールをきちんと守っているときには、自動車側の責任の方が重くなります。歩行者と同視されるべきケースでは、自転車側の過失がゼロとなる場合も少なくありません。

しかし、自転車側にも一定の落ち度がある場合には、「過失相殺」の原因となります。

今回は、自転車と自動車の接触事故の過失割合について、いくつかの具体的な事故状況を例に解説します。
なお、当記事は別冊判例タイムズの記載に沿って解説を加えています。

1.過失割合と損害賠償額との関係

交通事故では、双方に何かしらの落ち度があって発生していることが少なくありません。

たとえば、交差点での出会い頭の衝突事故のような場合には、当事者となる車両の双方に「左右確認の不十分」、「徐行義務違反」などのような落ち度があることが多いでしょう。

交通事故の損害賠償は、交通事故によって生じた損害を「当事者相互で公平に分担」することを目的としています。したがって、交通事故の当事者の双方に過失があるときには、それぞれの過失の大きさに応じて相手方の損害を賠償することになります。

この「交通事故が生じたことへの関与の程度」を過失割合といいます。

交通事故の損害賠償では、それぞれの当事者が相手方に発生した損害を自分の過失割合に応じて負担(賠償)します。

具体例を挙げて説明すると次のとおりになります。

【自転車Aと自動車Bとの接触事故】
・自転車Aに発生した損害は10万円
・自動車Bに発生した損害は40万円
・過失割合が自転車10%:自動車90%

この場合であれば、自転車Aには、自動車Bの損害の10%である4万円を賠償する責任があります。
一方、自動車Bには自転車Aの損害の90%である 9万円の賠償義務があります。

これから解説するように、多くのケースでは、自転車の過失割合は自動車に比べかなり低くなるので、自転車側の賠償額が自動車側の賠償額を上回ることはあまりありません。

しかし、自転車側の過失割合が大きくなる(自転車側が酒酔い運転しているなど)と、「自動車側が支払う賠償額よりも自転車側が支払う賠償額の方が大きくなる」ことが有り得ます。

2.自転車と自動車の接触事故における過失割合

自転車は、自動車に比べれば危険性の低い乗り物です。また、自動車のボディのような身を防護してくれる備えもありません。

したがって、自動車に比べて「交通弱者」となる自転車の過失割合は、自動車よりも軽くなるのが原則です。

しかし、「自転車と自動車の交通事故」のすべてで、自転車側の過失が軽いというわけではありません。
自転車側に交通ルール違反があれば、相当な過失が認められます。

(1) 過失割合が50対50となるケース

過失の基本割合が「50対50」

上の図は、自転車と自動車との接触事故において、過失の基本割合が「50対50」になるケースの例です。

左側のケースは、自転車による「優先道路への飛び出し」です。自転車が優先道路手前で一時停止し、必要な安全確認をすれば交通事故は防げるので、「飛び出した」自転車側の過失はかなり加重されています。

右側のケースも同様に「赤信号無視」での交差点進入ですから、自転車側の過失はかなり重くなります。

自転車側の落ち度の方が大きいと思われるケースでも過失割合が「50対50」となっているのは、「自転車が交通弱者であることへの配慮」といえます。
ただし、自転車側に大きなケガがない場合には、自転車側が受け取れる賠償金額よりも、自動車の損害額(修理代など)の方が高くなることもあり得ます。

(3) 自転車側の過失が大きくなるケース

自転車の方が基本の過失割合が大きくなるケースは、「信号無視」の場合です。

自転車側の過失の方が大きい場合

上の図のように、「赤信号」なのにも関わらず交差点に進入して生じた事故は、当然に自転車の責任が重くなります。

なお、信号機のない同幅員の交差点において自転車・自動車の方法が直進して交差点に進入した場合の接触事故(上の図で信号機がない場合)の基本過失割合は、「自転車:自動車=20:80」です。

しかし、この場合でも、自転車側に「無灯火」、「右側通行」、「携帯・スマホを操作しながらの走行」といった加算要素があるときには、自転車側の過失の方が大きくなることもあります。

(3) いわゆる「巻き込み」事故のケース

左折(右折)する自動車が直進する自転車を巻き込んでしまう接触事故は、自転車と自動車の交通事故では多く見られるケースです。

「左折巻き込み」の場合には、自動車側の過失がかなり重くなります。しかし、「右折巻き込みの場合」には、自転車側にも「右側通行」という交通ルール違反があるため、過失が加重されます。

「巻き込み」事故

また、右折巻き込みの際には、自転車側に「信号無視」がある場合もあります。

たとえば、自動車は青信号で右折しているのに対し、自転車が赤信号にも関わらず直進したことで衝突した場合には、上の図とは逆に「自転車85%:自動車15%」の過失割合となることもあります。

【ロードバイクの交通事故での注意点】
最近では、「ロードバイク」を利用する人が増えています。ロードバイクは、「かなりの速度が出る」という点で、通常の自転車とは大きく異なります。
速度の早い自転車の事故は、「バイクの事故」に準じた過失割合となることがあります。バイクと同じような速度で走行していれば、通常の自転車の場合の保護(過失の軽減)をする必要がないからです。
たとえば、3-(1)で解説した「優先道路への飛び出し」の場合には、バイクの過失割合が適用されると、「バイク70:自動車30」が基本の過失割合となり、バイク(ロードバイク)の過失の方が大きくなります。
ロードバイク側に「酒気帯び・酒酔い運転」、「ブレーキの不備」などがあったときには、さらに過失が加重されるので、日頃から安全運転を心がけることがとても大切です。

3.相手方と過失割合でもめた場合

交通事故の示談交渉では、相手方の保険会社との間で、過失割合について争いが起きることが少なくありません。
「損害賠償額が少ない」と思うときには、「過失割合が当事者の認識よりも厳しかった」ということも少なくありません。

交通事故の状況を最もよく知っているのは「交通事故の当事者」です。保険会社が提示する過失割合に疑問を感じたときには、しっかりと自分の認識を伝えるべきです。

しかし、交通事故のプロである保険会社の担当者と事故の当事者(被害者)が対等に議論することは容易ではありません。

交通事故に詳しい弁護士に相談すれば、事故状況を正しく分析し、できる限り客観的な証拠を揃えた上で相手方の保険会社に対してもしっかりと理論武装して、こちらの主張を展開することができます。

また、交通事故でケガをした場合には、弁護士に示談を依頼することで、損害賠償額の増額も期待できます。

自転車と自動車の接触事故では、衝突によって吹き飛ばされたことで、頭部の打撲や、腕、足、骨盤などを骨折することもあります。
万が一後遺障害が残ってしまえば、重大な症状を長期間抱えなければならないこともあります。

弁護士に依頼することで、後遺障害が残ったときにも適切な補償を受けられる可能性が高くなるのです。

事前認定と被害者請求|被害者が損をしない後遺障害認定の申請方法

[参考記事]

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4.まとめ

過失割合は、交通事故での損害賠償額を大きく左右させる重要なものです。

最近では、自転車保険に加入する人が増えています。東京都でも条例によって自転車保険への加入が「努力義務」となっています。万が一の備えをしっかり整えておくことはとても大切です。
とはいえ、自転車側が保険に入っていないケースはまだ多く、損害賠償を自己負担で支払うことになれば、その負担はかなり大きくなります。

交通事故の示談では「わからないこと」、「納得できないこと」をそのままにしてはいけません。
相手方の主張する過失割合に疑問を感じたときには、示談をまとめてしまう前に泉総合法律事務所の弁護士までお問い合わせください。

泉総合法律事務所では、交通事故のご相談は初回無料でお受けいただけるので、「自分で示談を進める上で不安なこと」を相談するためであっても、お気軽にご利用いただけます。
皆様のご来所を心よりお待ちしております。

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